株式会社設立
1 設立の流れ
株式会社の設立には、「発起設立」と「募集設立」の2つがあります。「発起設立」は、発起人が資本金を出し合い、会社設立の際に発行する株式を全て引き受けます。これに対し、「募集設立」は、不特定多数の人に出資金を募り、設立します。
実際は、設立時に見ず知らずの人から資金を募る事はほとんどありませんし、手続きに関しても「発起設立」の方が簡単で設立にかかる時間も短いため、「発起設立」の方が一般的です。以下、「発起設立」を中心に流れをご説明いたします。
①類似商号調査
本店所在地周辺に自社に類似した商号をもつ会社の有無を法務局で確認します。
② 商号・業務内容・本店所在地・役員・決算期などの決定
会社の事業目的は、出来る限り書き出すことです。これは各種許認可との絡みで重要です。例えば、建設業許可であれば、「土木工事業一式」、古物営業許可であれば、「中古自動車の販売」のように取得を希望する許可事業を行う旨の記載が必要になります。仮に、これがない場合には、目的追加の変更登記が必要になってしまいます。
③ 定款の作成及び公証人による認証
①、②完了後、定款を作成します。作成後、本店所在地を管轄する公証役場で認証してもらいます。電子申請をすれば、別途かかる4万円の印紙代を節約することが可能です。
④ 代表者の普通預金通帳に、資本金払込み
支払いのタイミングが重要です。必ず、認証を受けた後に資本金を振り込みます。振込時期を誤ると、登記時に別途申請書が必要になります。
⑤ 法務局にて、会社設立登記手続き
下記の書類を本店所在地を管轄する法務局に持参します。問題が無ければ、1週間前後で謄本が完成します。登記完了予定日は、提出日に法務局で教えてもらえます。法務局によって日数はマチマチなので、具体的な日数は提出日でないと分かりません。
万一、書類に不備があっても、電話が来るので補正をしにいけば大丈夫です。登記の申請をした日が会社の設立記念日です。土日祝日は法務局が開いていないので、記念日にすることはできません。
⑥ 会社設立後の各種届け (税務署への届け、事業に必要な許認可の取得など)
会社の設立後、税務署、社会保険事務所、労働基準監督署への設立届の提出等があります。また、助成金の申請もあります。会社の組織や目的に変更があった場合には、変更の登記をしなくてはなりません。
2 会社の設立に必要な書類
- 定款
- 発起人決定書
- 印鑑証明書
- 払い込みがあったことを証する書面
- 資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書
- CDR
- 印鑑届出書
以下現物出資がある場合
- 財産引継書
- 設立時取締役の調査報告書及び附属書類
3 必要経費と期間
必要経費は、公証役場に支払う定款認証費用50,000円、定款謄本代3,000円、登記印紙代150,000円です。定款認証を電子申請で行わない場合は、定款認証時に別途40,000円かかります。
受任から設立完了までの平均的な期間ですが、受任から定款認証までが約1週間、添付書類の作成及び登記申請までが約1週間、謄本完成までが約1週間の約3週間が平均的な業務完了期間です。
なお、登記申請は、弊社提携先の司法書士が行います。